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2017年5月 6日 (土)

【オサレ作家の定義】執筆環境

【オサレ作家の定義】についての雑文、今回は「執筆環境」です。

 オサレ作家の執筆環境というか、あこがれているシチュエーションがある。
 それは、「仕事場」というものだ。正確に言うと、「仕事場に通う」という言葉に。
 会社に勤めていた頃、満員の山手線に乗って通ったこともあるくせに、なぜに「通う」というのに今更あこがれるのか。
 それはおそらく、「歩いて通う」というのにあこがれていると思われる。近くに事務所を構え、そこに毎朝「出勤」して原稿を書く──という生活が、まるで売れっ子みたいだから、あこがれているだけなのだ。それに「仕事場」ってまったく邪魔が入らない感じでしょ? 原稿がはかどりそうじゃないですか。
 もう一つあこがれているのは、「喫茶店で仕事」ということ。お気に入りの喫茶店でおいしいコーヒーを飲みながら、周囲の喧騒をBGMに原稿を書く──というシチュエーションにも「売れっ子」感がある。
 一応、どちらも試したことはある。仕事場的なお部屋に、毎日通って書いていた時も、喫茶店ではなくファミレスだが、そこにノートパソコンを持ち込んで書いていた時もある。
 しかし、現在は自宅の自分の部屋で書くのが日課である。しかも机でもなくベッドの上で。
 やってみてわかった。あこがれるオサレな執筆環境は、私に合わないのだ。
 まず、家以外に仕事場があるとしたら、私はきっと、雨が降っていたら行く気をなくすだろう。あと、ヨレヨレの格好で出かけるわけにもいかない。パソコンを持ち運びしないといけないから、荷物が重い。
 私はものすごく、どうしようもないめんどくさがり屋なのだ。
 喫茶店(ファミレス)で仕事というのも、飲み物や食べ物を注文するのは別にいいのだが、問題はトイレである。ドリンクバー便利だけど、荷物を置いたままトイレへ行くのって怖くない!? トイレに行きたくなるたび家へ帰ることになってしまう。
 それに、寒いとか暑いとかの調節ができないじゃない。家にいればエアコンを調節したり、着替えたりもすぐできる。しかし外だとそうもいかないので、ちょっとした上着とかそういうのを持っていかなくちゃならなくなって、やっぱり荷物が増える。
 なんだかんだ言って、結局自宅の自分の部屋、というのが、私にとっては理想的な仕事場であるのだ。雨の中を移動する必要がないし、パジャマとそう変わらない適当な部屋着でもいい。好きな飲み物もすぐに飲める(自分で作れば)。おやつも用意しておけば食べられる。トイレも行き放題である。お腹壊しても大丈夫。
 でも、自宅は──自分の部屋は──快適すぎて、気が散りすぎる。ネットつなぎ放題だし、Wi-Fiも飛んでる。本もマンガもある。テレビもラジオもゲームもある。猫までいる。特に猫はすぐに仕事を邪魔しに来る。無視してもしつこくアピールしてくる。
 家で気を散らせないで仕事をする方法、というのは、私はずっとずっと、ずーーーっと長い間模索してきたのだ。
 まず最初にやったのは、パソコンからLANケーブルを抜くこと。タブレットやスマホやゲーム機以外のネットは有線なので、ケーブルを抜きさえすればつながらなくなる。
 しかし、これで済むなら苦労などしないのだ。
 はっきり言って、なんの効果もありませんでした。すぐにケーブルをつないでしまうのだ。あるいは、別の気晴らしを始めてしまう。気を散らすのは、ネットだけじゃないのである。
 家の中で場所を移動する、というのもやってみた。自分の部屋を出て、食卓などで書く。これまた食卓ではケーブルをつなげられない、という理由で。
 でも、食卓は自分だけの場所ではない。家族が利用するし、居間とつながっているので、家族が居間を利用する際はお互いに邪魔になる。こっちの仕事を理由に家族の用事を制限するのもどうかと思うし。
 いっそパソコンを使わないで手書きをする、というのも考えた。普通のノート、タブレットの手書きモード、もちろん携帯電話やスマホで書くとか、手書きじゃないけどポータブルのテキスト専用マシン(ぶっちゃけポメラ)を買おうとしたこともあった。よくわからないけど、「マウスを使わない」という方法が効果的と思い込んだ時期もあった。「水素水」みたいなものと変わらなかった。
 とにかく、どれもうまくいかない。一時しのぎにしかならない。習慣にならないし、効果が上がるところまで行かない。
 結局、「パソコンで気を散らさないで集中して書く」というのしかもっとも効率的な方法はない、という結論に達し、そしてまたそれを持続させる方法を見つけるために、私はそれこそ何年もの間試行錯誤し、失敗してきた。仕事場があろうが、ファミレスで仕事をしようが、それさえできればなんだっていいのだ。
 しかし最近、ついに私はその方法を手に入れたかもしれない!
 ものすごくシンプルで、お金もかからず、特別なことは何もない。あ、多少はかかるかも。でも、三千円くらいかなー。
 それは、「ピクニックテーブルを使う」ということ。
 元々ピクニックテーブルは持っていたのです。ピクニックに持っていったことはないけど、予備用のテーブルとしてちゃんと活用していました。
 こういうやつ。(私が持っている色はシルバー)

 それをまずはベッドに置きます。その上に、ケーブル等を抜いたノートパソコンを置きます。テーブルの下で足を伸ばして、壁に背中をつけた状態で普通に原稿を書きます。
 これだけ。
 仕事に必要なもの(メモ用ノート、付箋、筆記具、資料等)は手ぬぐいで作ったあずま袋に入れて、脇に置いてあります。スマホやタブレットは持たない。
 これがどうして効果的かというと──動きたい時は、テーブルをどかさないといけない、というところなのですよ。
 ただ、載っているのはノーパソと冷却ボード(これがないと軽すぎてキー打ってると動く)とせいぜい水のボトルくらいなので、そんなに重いものではありません。でも、これがめんどくさがりの私にぴったり合う。それにどかす時は多少腰に負担が来るのです。ベッドに足を伸ばして座っていると、足はむくまないんだけど、ちょっと腰に来る。その状態でテーブルはあまり何度も動かしたくないのです。一度ぎっくり腰をやってるから。
 つまり、まるでピクニックテーブルが石抱の刑みたいな状態になって、動くことができない状態に近くなっているのですよね。これだと机でやっているより集中できる!(当社比) 個人差がありすぎそうな方法だから、まったくおすすめできないけど!
 ──と、まったくオサレでない執筆環境でしか書けないダメ人間の私に、オサレ作家への道は遠い。しかし、書けないんじゃ作家でもなくなるので致し方ないが、これからもオサレチャレンジはしたい(こどもチャレンジみたい)。しかも、猫に要求されるとやっぱり遊んでしまうのである。最大の敵は猫か。いや、わかってたけど。

 余談だが、よくカフェなどの喧騒は仕事がはかどると言われるので、環境音をヘッドホンで聞きながら仕事をしたこともある(普段は音楽を聞きながらやっている)。カフェの喧騒だけでなく、ホワイトノイズとかブラウンノイズとかピンクノイズ(カラードノイズ)とか、いろいろ試した。その結果、確かに効率は上がった気はしました。でも──すぐに飽きるというか、つまんないのである。楽しくない音しか耳から流れてこないので、書いててもどんどん気分が下がっていく。好きな音楽に多少気を散らしながら書いた方が楽しいのだ。
 ちなみに、何を聞くと効率上がるとかそういうのはないです。iTunesの中の高レートの音楽──つまり大好きな曲をずっとシャッフルで聞くだけです。大好きな曲だと、歌詞が日本語でも大丈夫。
 そんな感じでただいま執筆中です……。(この記事の大部分は以前に書いてうっちゃっておいたものです)

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