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2017年3月24日 (金)

なぜうつ病は「作家の職業病」と言われるのか

 昨日は日本ミステリー文学大賞・日本ミステリー文学大賞新人賞・鶴屋南北戯曲賞の受賞式・祝賀パーティに行ってきました。そこで、ちょっと思ったことを書きました。

 昨日、若い作家さんに「うつ病にはほんと気をつけた方がいいよ!」と言ったのです。
 若い作家さん──いや正確には、年齢関係なくデビュー十年以内くらいでうつ病になったことのない作家さん(小説だけじゃなくマンガ家さんやライターさんも)へ機会があったら言いたい、とちょうど思っていたところだったのでした。「一度鬱になると神経や脳機能は中々元には戻らない」というまとめを読んだので、すごく気になっていたのです。
 私自身のうつで失って一番難儀したものは、「集中力」です。元々そんなにある方ではなかったのですが、うつが寛解しても戻ってこなかった。現在は更年期でもあるのですが、おそらくそれが終わっても年齢の問題もあり、戻ってきたとしても昔のようには絶対にならない。なので、もうなくなったと思うようにしています。うつの後遺症ですな。
 ただ、集中力がなくても仕事はできる。前よりしんどいから、その分ストレスがたまりますけど。
 ──と、ここまで考えて、この集中力って両刃の剣だな、と思った。集中して原稿書いていると脳内麻薬物質が出まくるのです。身体的にも脳的にも無理な状況であっても、それに気づきにくい。
 うつは精神的なものというより、脳の病気です。脳が疲労して起こる。だから、誰でもなる可能性はありますが、予防もできる。脳を疲れさせなければいいのですから。適度に休めばいいのです。一番簡単で確実な予防法は「睡眠不足にならない」ということです。
 しかし、集中してると眠くならない。「無理しないように」とは予防のためによく言われる言葉ですけど、脳内麻薬物質が出ていると自分では「無理していない」と思ってしまう。だって実際に楽に原稿が書けるんですもの。「この機会を逃してはならない!」と思っていっぱい書きたくなるよね。わかります〜、すごくわかる。私もそういう時たくさんあったから……。
 でも、そういう状態で書き続けると、脳が休めなくなってきます。私には「どうやって休めばいいんだろう……」と途方に暮れた記憶があります。そうなるともう、負の悪循環に陥るばかり。停滞時期がどんどん長くなっていきます。
 だから、そういう状態でたくさん書いたあとは、意識してたくさん休んでください。そういう状態を自ら長引かせたりもしないでください。うつ病自体で死ぬことはありませんけれど、自殺の可能性がものすごく高い病気ですので、個人的にというか経験上危ない病気だと思っているのです。
 だから、デビューまもない作家さんは、とにかくうつにならないよう予防してもらいたい。睡眠時間を確保する。枚数や書いた時間など、物理的な労働の量で疲労を自覚する。自分の休み方やストレス解消法を意識してみる。休んでいる時はなるべく頭空っぽにする──等々。そして、それらがうまくいかない、と自覚した時は、速やかに病院へ行ってください。
 若くて体力のある人だと余計に「無理できるのは今だけ!」と思うはず。その気持ちもすごくわかる。チャンスをつかみたい焦りとの板挟みになるでしょう。でも、うつ病は作家の職業病なのです。今までなんとなくそう言っていたけど、集中力の高い人が多いからなんだ、というのがちょっとわかった気がした。自分を作家にしてくれた脳の機能をうつで失わないよう、自分をちゃんと休ませてあげてください。疲労を放置した時期が長いほど、回復は遅くなります。早ければ薬もよく効きますし、後遺症もなく治る場合も多いでしょう。
 もう、ほんといいことないからさー(´・ω・`)。

【追記】
 もちろんデビューしたての作家さんだけでなく、現在うつ病にかかっていないクリエイターさんすべてに気をつけていただきたいです。
 ただ、長くやっていてうつになっていない方は、それなりに避けるスキルがすでにあると思われます。なので、デビュー年数少なめの作家さんを対象とした内容になったのでした。

【追記2】
「脳内麻薬物質が出ていると自分では『無理していない』と思ってしまう」という現象は「脳のマスキング」というそうです。この健康番組で言ってました。

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