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2011年8月21日 (日)

『ぶたぶたさん』ネタバレあとがき(書き下ろし分)

『ぶたぶたさん』のネタバレあとがきです。書き下ろし7本分です。

『角の写真館』
 ネタ出しの時にいろいろ相談した友人Oさんからのアイディアです。
 ただ、古い写真館のウィンドウにぶたぶたの写真が飾ってある、というのだけで、「なんかいいな!(´∀`)」とは思ったものの、ストーリーはなかなか浮かんでこなかった。書きながらだんだん方向性が決まってきた、という作品です。
 会話には出てきても、ぶたぶた自体は出てこないというのが書きたかったというのもありました。
 最初はちょっと切ない話にしようかと思ったんだけど、結局情けないおっさんの勘違いに落ち着きました。

『ボランティア』
 今回は書き下ろしの本数が多めだったので、登場人物の年齢をバラけさせるのに気をつかいました。学生や年配の人の場合、割とわかるように書いてありますが、それ以外はだいたい20代~30代を読んだ感じで適当にあてはめてもらえれば、というところです。
 ちなみに、山での山菜摘みは勝手にやってはいけません。山の持ち主に許可をもらう等のルールに則ってやらないと、犯罪行為になる場合もあります。──私が子供の頃は、田んぼや土手や山などで勝手に摘んでいたけど、あれはどうだったんだろうか……。一応、地元の人間だからよかったのかな……。
 ぶたぶたは山菜にはくわしそうだけど、キノコとかはよくわからなそうな印象があります。(自分のキャラなのに(^^;))

『最強の助っ人』
 これも書きながら考えたお話です。
 引っ越しは、もう二度とやりたくないことの一つですが(やるたびにそう思う)、ぶたぶたはちゃんと計画を決めて荷造りしそうです。荷物も少なそう。
 見本ができてきて読みなおした時、寿々の「窓から出しちゃえ」というセリフに我ながら噴きだしたのでした。しゃべる動物が実際いたら、彼女のような反応をしそうですが、自分の手で出そうというのも剛気です。

『恐怖の先には』
 あまり怖がらないという人は実際にいるらしいですが、私は怖がり(というか、怖いの大好き)なので、実際の心理がうまく書けているのか、というのは少し不安。
 台風(低気圧)などが近づいてくるとアドレナリンが増加して興奮状態になる(特に子供)、というのは実際にあるそうです。
「巨像恐怖症」は私です(^^;)。単純に大きいものに対しては、どちらかというと「怖いの大好き」に近い気持ちの方が多いのですが、新聞の太い見出しなど、通常よりも突然大きくなったりしているものは本当に怖い。今までで一番怖かったのは、いつも利用しているバスのおでこについている行き先表示板が変更されて大きくなった時。道の向こうからそれが近づいてきた恐怖は忘れられません。
 軽い高所恐怖症でもあるのですが、足がすくんで動けないとか、四つん這いにならないと歩けないというほど怖い思いをしたのは数えるほどです。

『噂の人』
 ぶたぶたが学校の先生、というところから考え始めたのですが、いつの間にか父兄になりました。
 学校の先生はいつか書いてみたいネタの一つです。小学校の先生は一つ書いていますが、授業風景などは書かなかったし、それにできれば高校の教師にしてみたい。保健室の先生とか、校医とか、スクールカウンセラーとか、用務員さんとか。思春期の子供を相手にした学校でのぶたぶたの話は、いつか書きたいのですが、なかなかまとまりません。
 話がズレましたが、実はぶたぶたの娘の作文は全文書いておいたのですが、いつの間にかなくなっていました。圭と同様に、私も何が書いてあったのかわからなくなってしまいました。マヌケだ……orz

『新しいお母さん』
 食べ物の話にしよう → じゃあお弁当 → じゃあキャラ弁、という単純な発想から書き始めたら、食べ物の話じゃなくなってしまいました……orz
 視点を大河にするか、梢にするかでずいぶん迷ったのですが、主人公の年代のバランスを考えて、大河にしました。そしたら、とても書きにくかった……orz
 この作品だけ、書き始めの仮タイトルがそのまま本タイトルになりましたが、タイトル自体がそのままだ(^^;)。

『途中下車』
 一番最初に書き始めて、一番最後に書き上がった作品。
 その時によって違うのですが、ぶたぶたのような短篇集は全部並行して書いていきます。昔はそうじゃなかった。一つずつ書きあげないと次に移れなかったのですが、今は一つを少し書いて、筆が止まったら別のを書いて、また筆が止まったらまた別のを書いて──というような書き方をしています。
 そしたら、なぜかもう終わりそうだったはずなのに、最後になってしまった。楽なものから先に書いていく傾向があるのですが、最後の方になるとどう終わらせるか悩むので、結局は後回しになってしまったようです。

 駆け足にネタバレあとがきを書いてみましたが、あんまりネタバレじゃないですね……(´∀`;)。
 おつきあいいただきまして、ありがとうございます。ご購入&お読みいただいた方々にお礼を申し上げます。これからもぶたぶたをよろしくお願いいたします。

 最後に、メールをくださったHさんへ。もう読まれていないかもしれないけど。

 自分のできること、しなければならないことをちゃんとできる人こそ、立派であり、そしてそれが「普通」なんじゃないかと思うのです。
 ていうか、私もそんな人間になりたい。だから、見た目特別だけど、普通のおじさんであるぶたぶたを書いているような気がします。

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コメント

噂の人、新しいお母さん・・・父兄のお話しですね。
私も授業参観の時に、ぶたぶたさんに遭遇したら
子供よりも、ぶたぶたさんに気をとられてしまうかも!
読み返せば読み返すほど、きっとどこかで遭遇するに
違いない!と、思ってしまいます(^▽^ )

投稿: ちび | 2011年8月23日 (火) 23時15分

>ちびさん
 ご感想、ありがとうございます。
 そういえば、ぶたぶたが「幼稚園(保育園)の先生」というのは考えたことがなかったですねえ。あまりにもハマりすぎだからかな……。ベビーシッターの話はあるのに。

投稿: 矢崎存美 | 2011年8月25日 (木) 06時53分

ぶたぶたさんを繰りひろげる根拠

・・・というタイトルで、矢崎さんの記事見つけました1
http://www.birthday-energy.co.jp/

才能は
「庶民的な改良改革心溢れる気持ち」なんだそうです。
かなり細かく書いてあるサイトなので、読んでて
面白くなってきましたよ。

投稿: チョウ | 2011年8月25日 (木) 23時14分

>チョウさん
 ありがとうございます。じっくり読んでみました。面白かった!
 でも、何だかすごく矛盾がある人間みたいですね、私(^^;)。本来なら合わないものを持っていながら、割とそれが平気、みたいな。
 当たっているというとちょっと違うかもしれませんが、何だか読んですごく納得しました。昔別の占い師さんに言われたとてもわかりやすい例としては、
「あなたは中身が男だから」
 ……違うかな?(^^;)

投稿: 矢崎存美 | 2011年8月28日 (日) 08時46分

矢崎存美(先生)様、はじめまして!私はみかちゅうと言います。
つい先程、本屋で『ぶたぶたさん』のタイトル、可愛い表紙に惹かれ、すぐさまレジへ直行しました(^o^)/
そして、近くのカフェで只今読み終わった所です。
私はいい年こいてぬいぐるみが大好きなので、ぶたぶたさんの話は皆ほのぼのしていて、実際にぶたぶたさんがいたらな~と思いました(*^o^*)
あとがきネタバレを読んで、更に“ぶたぶたさんワールド”が広がりました。
この本を読んで、なんか新たなうるおいが生まれましたo(^-^)o
他のぶたぶたシリーズも、読んでみたいです。

以上、突然失礼しました”(ノ><)ノこれからも応援します_(_^_)_

それではみかちゅうでした(o^∀^o)

投稿: みかちゅう | 2011年8月31日 (水) 17時14分

>みかちゅうさん
 こんにちは、はじめまして。
 読み終わってすぐの書き込みだったのに、私の反応が遅くてすみません……orz
 でも、ありがとうございます。他のぶたぶたシリーズもこんな感じなので、よろしかったらお読みくださいませ。また楽しんでいただけるとうれしいです!

投稿: 矢崎存美 | 2011年9月 3日 (土) 07時18分

ファン暦一年生のあやと申します。
待ちに待った「ぶたぶたシリーズ」を書店で見て
飛び上がるほど喜びました。

私のお気に入りは「角の写真館」です。
主人公の男性の勘違いが可笑しいのに
なんだかホロりときてしまいます。

ユーモアがあってかつ余韻がある
ぶたぶたワールド。

早くも次回作が待ち遠しいです。(早くてすみません)


投稿: あや | 2011年9月 6日 (火) 02時03分

>あやさん
 こんにちは。ぶたぶたお読みいただき、ありがとうございます〜ヽ(´ー`)ノ
『角の写真館』は、主人公と店主の言葉のすれ違いが書いていて楽しかったです。
 次の作品もなるべく早く届けられるようにがんばりますね! これからもよろしくお願いします。

投稿: 矢崎存美 | 2011年9月 7日 (水) 07時10分

初めまして 矢崎先生
こんなコメントを書くのは初めてです、私の喜びをお伝えしたくて…
私はこぶたの小物が大好きで、仕事場のデスクも、持ち物もぶただらけで、周りにあきれられています。
そんなわたくしが、今回の「ぶたぶたさん」を見つけた時の喜び。本屋さんで キャー と叫んでしそうになってしまいました。
そして 中身を読んでまた キャー です。
私の求めていた ぶた はまさにぶたぶたさんのような人? ぬいぐるみ? キャラクター?です。
どうして今まで、ぶたぶたさんに出会てえなかったのか…   (u_u。)  残念です。
今までの ぶたぶたさんを 探しては読んでいます。どうか いろいろなぶたぶたさんをこれからも私に見せてくださいね!!
こんなに暑い夏は、地面に近いぶたぶたさんをは、さらに暑かったでしょうね。陽炎の中を歩くぶたぶたさんを想像してしまいます。
先生もまだまだお暑いですので、体調に気を付けてお過ごしください。
次の作品楽しみにしています(o^-^o)

投稿: めめ | 2011年9月11日 (日) 23時27分

>めめさん
 こんにちは。はじめまして。
 ぶたぶたお読みいただき、ありがとうございます。
 私も元々ぶたもの(?)が好きだったからこそ、こんな小説を書いているんだなあ、とめめさんのコメントを読んで改めて思いました。他のものが好きだったら、どうなっていたか……想像もつきません(^^;)。
 これからも楽しんでいただけたら、うれしいです!

投稿: 矢崎存美 | 2011年9月12日 (月) 15時42分

先生、ご無沙汰してます。まだ光文社シリーズしか揃ってない私は 何度も読み直してますっ ここ最近辛いことがあり、癒されたく、そういう時にまた読み直しているんです。今はぶたぶたさんを読み直していて、どうしても気になることが!『死ぬにはきっと、うってつけの日なんですが。。。』主人公絵里子に話しかけるぶたぶたが、「そっちに行ってもいい?」ときいた後の ところがぬいぐるみが言う。という文章に違和感が。。。その後の「え~」は当然絵里子のセリフだと思いますが ところがぬいぐるみが言うの後にぶたぶたのセリフが入ると思いながら読んでいると セリフの順番に何か違和感が。。 文章の理解力がなく どうしても読み直すと、そこで止まってしまうのです。。。

投稿: Mayao | 2012年5月30日 (水) 11時52分

>MAYAOさん
 こんにちは。
『死ぬにはきっと、うってつけの日』はけっこう昔の作品なので、私の至らなさもあるかと思いますが、読みにくさの一番の理由は、ページをめくってしまうからだと思うのです。おそらく、それがなくて、つながっていたら違和感が少なかったと思います。
 ページをめくると思考がいったんリセットされて、意図した文章のリズムが切れてしまうようです……orz
 でも……いったいどうしたらいいのやら(^^;)。どうもすみません……。

投稿: 矢崎存美 | 2012年6月 1日 (金) 19時31分

先生、こんばんは☆
大変失礼な質問をしてしまったのに、丁寧なご回答を下さり嬉しいです!
確かにページをめくると前ページとの繋がりがぷつって途切れてしまう時があります! 読むのを途中で止める時も、このページまで読んだら休憩しようって、展開の途中でもページの区切りで止めてしまうことが多々ありました。今度からは意識して読んでみますっ すみませんっ本当に失礼な質問で。。。 でも何か胸のつっかかり?が溶けたようで、ココロがすっきりしました☆

投稿: Mayao | 2012年6月 4日 (月) 00時06分

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