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2011年8月13日 (土)

『ぶたぶたさん』あとがき

『ぶたぶたさん』のあとがきです。

 今回、本の方にはあとがきをつけなかったので、ブログに載せることにしました。
 つけなかった理由は──あとがきということですから、最後の『ぶたぶたさん』のあとになるわけで……それって、読後感を壊してしまうのではないか、と考えてしまいまして。
 何を書いたらいいのかわからない、というのもあったんですがね。まあ、これはいつものことですが、今回はやはりちょっとスケジュール的にもきつかったので、力尽きたようにもなっておりました。そういう言い訳を書いてしまうのもなんだし……。
 ということで、編集さんとも相談した結果、あとがきはなしになったのでした。

 実は、いまだに何を書いたらいいのかわかりません。
 それは、『ぶたぶたさん』という作品を書いた経緯を少し説明しなければなりません。
 ブログにこのショートショートを載せた際に、
「とあるメールをいただいたのをきっかけに」
 と書きましたが、そのメールをくださった方はぶたぶたシリーズの読者の方で、3月11日に起きた東日本大震災の救助等に関わっておられました。
 私はその方からのメールを読んで、震災直後の何をしたらいいのかわからなかった私に対して、「山崎ぶたぶた」ならば何かできるのではないか、と気づいたのでした。
 もちろん、私は小説家ですから、できることは物語を書くだけです。それはわかっていましたが、どのような物語にするかというのは──あまりのことに声を失うばかりで、浮かんでこない状態でした。いつかは何かを書いたとは思いますが、そのメールを読まなければおそらく『ぶたぶたさん』のような小説にはならなかったのではないでしょうか。
 とにかくそのメールに後押し(というよりお尻を叩かれて?)をいただいて、ほぼ一日で書き上げたのが『ぶたぶたさん』でした。少しでも足しになれば、と思い、ブログだけではなく、ブクログのパブーにチャリティ作品として載せました。
 今回、表紙に新しいイラストをつけ直しました。価格の100円は全額寄付されますので、ご購入できる環境にある方はどうぞよろしくお願いいたします。右のサイドバーからも行けます。
 この本の印税も全額寄付、とか言うとかっこいいのでしょうが、私は被災者の方が(もちろんそれだけじゃないけど)利用したりする団体などに直接寄付しようかと考えています。なるべく透明で公正なところを自分で探して調べて、納得できるところに。できれば、継続して。
 私というか、ぶたぶたとしては、読んだ人が「楽しい」と思ってもらえさえすれば、満足なのでしょうが、それはできてるのかなあ。

 さて、震災後、気分が沈んでいた私は『ぶたぶたさん』で少し浮上したので、調子づいて『山崎さん』を書き、またブクログのパブーに載せました。こちらは明るいコメディ。
 それがこの本の『山崎さん② 本日のスイーツ』(②は機種依存文字なので一応→◯に2)になりました。『山崎さん① 本日の執事』(①→◯に1)は長年続けてきた同人誌「せる」終刊号用に書いたショートショートです。
 小説家としてデビューする前──はたち頃から書き続けてきた同人誌です。あの頃は毎日夢中で書いていたなあ。ほとんどの書き手がプロデビューしてしまったので、とりあえずの区切りということで終刊号を出したのでした。執事喫茶には光文社の編集さんと取材に行ったのに、こっちで先に書いてしまってすみません……orz 今回ようやく収録できましたよ。
 今回の本には、このように雑誌等に掲載したもの+書き下ろしという形になっています。『死ぬにはきっと、うってつけの日』は7年前に角川書店の雑誌「ザ・スニーカー」に掲載したものです。ゲラを読み直して、
「若い……。文章が若いよ」
 と思ってしまいました。いや、「若い人向けに書いたのだから当たり前」と思われるかもなんですが、私はあんまりそういうのを意識しないで書くタイプなので……。タイトルもサリンジャーだし──若干の気恥ずかしさを感じます。
 でも、刑事ぶたぶたを載せられたのはうれしい。元々ネゴシエーター(交渉人)としてのぶたぶたを書きたくて、と思ったものです。その頃見た『交渉人』って映画がめちゃくちゃ面白くてねえ(´д`;)。本当はああいうかっこいい話にできたらいいんだけど。

 書き下ろしは7本。いつもよりはちょっと短めな話にしてあります。
 心残りは、ほとんど食べ物を出せなかったこと……。飲み物ばかりだなあ、と思ったりして。
 書き下ろし作品に関しては、ネタバレあとがきを改めて書こうかな。来週くらいから少しずつ更新していきたいと思います。

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コメント

昨日読み終わりました。
今回は短編集で、一日一編ずつ読んでいったので、長く楽しめました。
「最強の助っ人」が一番好きかな.
<< 私というか、ぶたぶたとしては、読んだ人が「楽しい」と思ってもらえさえすれば、満足なのでしょうが、それはできてるのかなあ。 >>
皆、楽しいと思っていると思います。ただ「ぶたぶた」の場合それだけではない。
「癒し」とかいろいろな表現はあると思いますが、ほかの小説にはない何かを皆が感じているはずです。

偉そうなことを書いてしまいましたが、これからもぶたぶたの世界に期待しております。
暑いですが頑張ってください。

投稿: つきのとりこ | 2011年8月17日 (水) 19時29分

いまさらですが、楽しく読みましたよ!
お仕事頑張って下さい。

投稿: きさ | 2011年10月 8日 (土) 08時21分

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